うつ病

うつ病の危険性

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スマホで調べものをする女性

うつ病という病気には想像できないような危険性がいくつもあります。うつ病は抑うつ気分や意欲低下、絶望感など心の病ですので、精神面にのみ目が向きがちになっていませんか?

しかし、実はうつ病の危険性は精神面だけでなく、肉体的にも重大な危険性をはらんでいるのです。また、うつ病にかかると自殺の危険性も大きく高まることがわかっています。

この記事では、うつ病によって生じる危険性について詳しく解説していきます。

うつ病はさまざまな危険性をはらんでいる病気

うつ病とは、心の病気ですが具体的には脳の働きに支障がある状態です。

通常、悲しい出来事や辛いことがあっても、時間の経過とともに頭が整理され、立ち直っていきます。
しかし、うつ病の方は気持ちが立ち直らずに、ずっと抑うつ状態や不安、焦りなどの状態が続きます。

その結果、動く意欲がわかないので生活習慣が乱れて、肉体的な病気を引き起こすリスクが高まるのです。つまり、うつ病は精神的な病気に留まらず、身体的な病気も発症させる危険性があるのです。

さらに、見逃せないのが自殺です。
うつ病患者は自殺をする危険性が極めて高いのです。厚生労働省の発表によると、健康問題に起因する自殺者数は平成27年で12,145名でした。
その内、うつ病にかかっていた方の数は、5,080名でした。これは、健康問題によって自殺した方の約42%がうつ病患者ということです。
つまり、うつ病と自殺には深い関係があるといえるのです。

うつ病による生活習慣の乱れが身体に危険を与える!

重篤な病期を引き起こすことも…

うつ病は精神面に大きなダメージを与え続けて、あらゆる意欲を失くしてしまう病気です。しかし、それによって身体的にもダメージを与えてしまう危険性があります。

例えば、活発に活動ができないので、著しい運動不足に陥ってしまいます。
健康の維持には定期的な運動が欠かせません。しかし、うつ病の方は身体を動かすのが億劫になるので、運動不足が常態化します。
すると、免疫力が低下したり肥満が進行したり、糖尿病を発症するリスクが高まったりするのです。
もし、すでに生活習慣病を抱えている方なら、動脈硬化が悪化することによって、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こしやすくもなるのです。

健康の危険性は高まり続ける

このようなさまざまなリスクに加えて、うつ病は毎日イライラや睡眠障害、疲労感に悩まされるのでストレスがどんどん溜まっていきます。
ストレスが溜まるとタバコやお酒の量が増える方、また過食や、反対に食欲がなくなって食事ができなくなる方がいらっしゃいます。
すると栄養面で健康被害のリスクが高まるのです。また、睡眠障害もストレスの増幅を助長し、余計にうつ病を深刻化させる原因になるのです。

健康を維持するためには、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠などが必要となります。しかし、うつ病を発症すると、抑うつ状態になって意欲がわかなくなるので、生活習慣が乱れがちになります。
また、イライラや不安などによって夜は眠れなくなるので、健康状態は著しく損なわれるのです。

もちろん、うつ病になるとすべての方が生活習慣を乱し、身体的な病気を発症するとは限りません。しかし、うつ病の方は健康増進に対する意欲が低下しているので、健康のために何かをすることはほとんどありません。
つまり、健康へのリスクは高まることはあっても、低くなることはないのです。

うつ病患者は自殺しやすい傾向がある

「うつ病はさまざまな危険性をはらんでいる病気」でも紹介しましたが、健康問題を抱えている自殺者の4割以上がうつ病患者です。つまり、うつ病と自殺には深い関係があります。
うつ病は意欲がわかないので、何もかも前向きで建設的な考えをすることができません。
それだけでなく、自身に対して無価値観や罪悪感を覚えるようにすらなるので、自殺願望が高まりやすくなるのです。

うつ病患者が自殺をする危険性がどの程度迫っているかは、うつ病患者が出すサインを見逃さないことが大切です。
例えば、大切なものを他者に与えたり身辺整理を始めたりしたら自殺願望が高まっていて危険性が高いと判断できます。なお、危険性が高まる前段階では「死にたい」や「死んだら楽になるだろう」などの死に関する言葉が出てくる傾向にあります。このような兆候があれば、うつ病患者と向き合って共感することで、自殺を踏みとどまらせることが可能です。

うつ病は治療終盤でもまだ危険!

うつ病は診断を受けて治療を開始すると、順調に治れば1年程度で改善してきます。
しかし、うつ病の症状が出なくなってきたときでも、うつ病にはまだ危険性があります。うつ病の症状が出ないから完治したと判断し、医師の判断を仰がずに勝手に服薬を止めてしまう方が多いのです。
すると、うつ病をぶり返してしまうことが多々あるのです。

うつ病の症状が治まってきても自分で治療を止めてはいけません。うつ病はさまざまな危険性をはらんだ病気ですので、医師が完治したと判断するまでは油断しないようにしましょう。

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